カンティーナ巡り(第2回)

"Quinto Chionetti"

ピエモンテで広く栽培されている葡萄がBarbera種とDolcetto種です。 しかしこの州には余りにも偉大なワイン達、かの“Barolo”“Barbaresco”や “Gattinara” “Ghemme”などのようなNebbiolo種で作られるイタリアを代表する 長期熟成型の高級ワインがあるため、すっかり片隅に追いやられている感があります。
しかし、これらのワイン抜きにはピエモンテは語れません。 そして、中には思わず唸らせるような素晴らしいワインがいくつかあります。 その中のひとつが、Quinto Chionettiの“Dolcetto di Dogliani”なのです。

数ある“ Dolcetto”の産地の中でも、ここDoglianiはその土壌質によりいくらか 重いタイプのワインが生まれます。 ここで作られる“ Dolcetto”は、“San Luigi”と“Il Briccolero”の2種類。 同じ作り手、そして同じ葡萄で作られるのに、その畑のわずかな位置の違いによって 微妙な差が生まれます。 “San Luigi”は土質が擬灰質の為いくらか柔らかくチェリーを思わせるブーケ、 他方“Il Briccolero”は粘土質の為僅かではありますが重く微かにジャコウ香が 感じられます。どちらも、私が今までに飲んだ中では一番の“Dolcetto”でした。


この素晴らしいワインを作のが熟練のワイン醸造技術者でありオーナーである Quinto Chionetti氏。その年齢を重ねた顔からは頑固一徹な職人堅気が滲み出て います。無口なその口からでる言葉は、その一つ一つが自分が今日まで歩んで来た その歳月同様自信に充ち溢れていました。 その頑固な職人の手から作り出される見事なワイン達! まさに「ワインは人なり」 という名言が、ここでも実証されたわけです。
今でも日本で、この“Dolcetto di Dogliani”を口にすると、あのChionetti氏の 日に焼けたぼくとつな顔が目に浮かびます。




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