L'OSTU DIJ BALOSS

Via Gualtieri 31/33
Tel.0175-248618
休日:日曜日
サルッツォ旧市街

入り口を入ったとたん、余りに洗練された店内に一瞬嫌な予感が脳裏をかすめた。 それも後で、嬉しい思い違いに変わる。
少々ランチタイムを過ぎた時間帯だったので、客席はすでにまばらであった。 メニューを見ると、いかにもピエモンテらしい料理名がいくつも名をつらね、 嬉しい選択の一時。
迷った末に、前菜には“茸のスフォルマート”、プリモにまたしても“ポルチーニ のピエモンテ風手打ちパスタ”、セコンドに“仔牛の脳みそのフライ”を注文。
もちろん、ワインはサルッツォで生産される“Pelaverga”を指定。これは、 ペラヴェルガ種の葡萄で作られる濃いルビー色をした若のみタイプのロゼワイン。 ピエモンテの田舎まで足を延ばすと、日本ではついぞお目にかかったことのない 地酒(Vino da Tavola)に出会える。これは、グルメにとっての楽しみのひとつ でもある。

“Sformato di funghi”
スフォルマートとはイタリア語で、材料を手を加えて元の形とは別の料理に 仕上げたものを言う。ここでは、固めの茶碗蒸しを想像して頂きたい。
付け合わせのソース(salsa)はビーツであるが、やはり茸にはクリーム系が 合うように思える。しかし、スフォルマート自体は大変上品に仕上がっていて、 口の中での感触も言うこと無しであった。

“Tajarin con porcini”
そもそも“タヤリン”とは、小麦粉と卵だけもしくは少量のオリーブオイルだけで 作られるランゲ地方(ピエモンテ)の細い手打ちパスタの名である。あくまでも、 タリアテッレ(tagliatelle)とは、混同してはならない。
卵黄だけを使ったタヤリン“tajarin ricchi”(パスタの黄色のなんと鮮やかなこと !)と味わい深いポルチーニ茸がとても良く調和し、口の中で豊かな味の ハーモニーを奏でる。

“Fritto di cervella”
私は別に“下手物食い”ではないが、イタリアに来てからはおよそ四つ足の臓物類 はほとんど食べ尽くした。魚を主食とする農耕文化と肉食文化との差をまざまざと 体験することとなった。しかし、其のどれをとっても例外なく美味である。私の 観念は180度転換した。
そもそもは、ピエモンテ料理の典型的な一品“フリット・ミスト(fritto misto)” の材料の中の一品であり、かりっと揚げられた衣から流れ出る柔らかい淡白な感触が 口の中に広がり、まさに珍味である。ちなみに私は仔羊の脳みそが一番好きである。



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