イタリアが好きでたまらずに、“Quattro Canti”を始めた“イタリアきちがい”です。特に南イタリアに深い愛着を持ち、シチリアを拠点としてカラーブリア、カンパー ニアetc南部の州にのめり込んでおります。(もちろん北イタリアも大好きです!!)
今回から皆様にそんな私の知る南イタリアの穴場をご案内しようと思います。
第1回 「エオリア諸島」
最近、日本でも注目を浴び始めているシチリア北部に浮かぶエオリア諸島。 楽園と呼ばれるこの島々は、古くからイタリア人にとっては定番のリゾート地です。 まず、シチリアの州都であるパレルモから列車に乗り約2時間、ティレニア海に突き出た、細長い半島の街ミラッツオに行きます。
アラゴン家が築いた城壁と、フリードリヒ2世によって建設された城が、丘の上にそぴえ立つこの街の港から、更に船に乗ること一時間、まさこ楽園と呼ぶにふさわしいエオリア諸島の中心であるリーパリ島に到着します。
2つの教会が海を見守る素朴な港では、小さな漁船が波に揺れ、漁師によって敷かれた綱が地面に横たわり、一見静かな漁村を想像させます。 しかし、そこはリゾート地一歩街に足を入れると、バカンスを過ごしにやって来た観光客で活気にあふれています。
この島の中心ともいえる2つの港の間こは、海から垂直に切立った、厚さ10メートルに も及ぶ天然の城壁に守られた城塞がそぴえています。この要塞の上には、紀元前5〜6世紀頃ギリシャ人によって造られたアクロポリスがあり、そこから一望するリーパリの街と美しい海は最高です。
街の白い家々は、この要塞を中心に身を寄せ合うように立ち並び、その間を階段状の小路がまるで迷路のように縦に横にと走ります。 太陽の光を浴びてキラキラと輝くこれらの家々の白壁の間を散策したり、美しい海に臨んだこの島の数多<のピーチでゆったりとくつろいでいると、なんとも幸せな気持ちになれます。(1998年度は、エオリア諸島の海はイタリアで一番きれいと認定されています)この島の滞在には、数多く存在するホテルの中でも、特にイタリア人に人気が高い “カラスコ”をお勧めします。街の中心からは少し離れていますが静かな場所にあり、海に面した部屋のバルコニーや中庭からは、アクロポリスを中心としたリーパリの街が一望できます。
ホテルの食事も高い評価をうけていて、部屋と同様に素情らい眺望が得られるテラスレストランでは、伝統的なリーパリ料理をベースとしたオリジナルのコースが楽しめます。シチリアワインのみを扱うワインリストも興味深く、日本ではまだ紹介されていないアイテムを色々と味わうことが出求ます。
ただし、このレストランで食事が出来るのは、3泊以上の滞在で Mezza pensione(2食付)若しくは、Pensione completa(3食付き)の条件で予約を入れた滞在客のみですから、このホテルを利用される方には、ゆっくりとした少し長めの滞在をお勧めします。
イタリア各地からやって来るここの滞在客は、短くても最低1週間はこのホテルで過ごしますから、レストランで顔を合わせたり、中庭を散歩中に顔を合わせたりしていくうちに顔見知りも増えていき、帰る頃には知り合いもできていることでしよう。 イタリア人の友人を増やしたい方にはもってこいです。
ホテル以外でもミシュラン星付のリストランテ“フイリッピーノ”をはじめとして、どのお店でも新鮮な魚貝をベースとしたリーパリ料理を味わうことが出来ますし、珍いシチリアのお菓子も、この街の中心にある長い歴史を持った“スッパ”や“オスカー”などでロにすることが出来ます。
特に地元客で賑わう“オスカー”のダラニータ(かき氷)は格別で、暑い夏には皆パ ンにダラニータを浸して朝食にします。時間的に余裕のある方には、エオリア諸島のクルーズをお勧めします。 リーパリ島を中心に7つの島からなるこの諸島には、まだ電気も存在しない荒々しいアリクーディとフイリクーディ、いまだに活発な火山活動を行なっているヴルカーノとストロンポリ、映画「イル ポスティーノ」の撮影にも使用された緑豊かなサリーナ、芸術家が多く住んでいるパナレーアがあります。
どれも個性豊かな美しい島ですが、その中で個人的にお勧めするのは一番小さなパナレーア島です。リーパリ島から30分のこの島の面積はわずか3.4kuで、すぐに島全体をまわれてしまいます。
奇麗な海では定評のあるエオリア諸島の中でもひと際だっていて、どこまでも底が見えるほど海水は澄んでいます。 島の斜面の家々の壁はどれも真っ白で、扉と窓枠は青で統一されているという徹底ぷりです。 地面に敷きつめら机た石畳までが全て白いこの街は、イタリアというよりはギリシャを連想させます。 数は少ないですが、かわいらしいホテルも幾つかありますから、滞在も可能です。 ぜひ訪れてみてください。
ゆったりとしたリーパリ島滞在の後、知り合いも増え、お気に入りのお店も増えたこの島を離れてしまうのは心残りですが、最後を飾るにふさわしい、帰りのルートがあります。リーパリ島からもとのミラッツオに戻ってもいいですし、またパレルモやナポリ行きの船もハイシーズンにはリーパリ島から出ているのですがイタリアの風景を満喫したい方には、なんといってもレッジオ・カラーブリア行きをお勧めします。
このレッジォ・カラーブリア行きの船はリーパリ島を出発してしばらくすると、シチリア島と並行して走り、その後シチリアとイタリア本島の間のメッシーナ海峡を進んでいきます。 右手にはシチリア島、左手にはイタリア本島のカラーブリア、という贅沢な光景の中を、幾つもの都市が通り過ぎていきます。暑い南イタリアの太陽をいっぱいに浴びながら、最後のクルーズが楽しめます。 訪れるには、少し長い滞在が必要となりますが、今年の真のヴァカンスにいかがですか!
*エオリア諸島は、4月〜10月が観光シーズンで、1月〜3月の間は
営業していないホテル、レストランが多いので注意されてください。
交通はミラッツオからの船の便が一番多いですが、ハイシーズンには、
バレルモ、ナポリをはじめとして、幾つかの都市からの便もあります。ホテル“カラスコ”を予約される方は、必す海側の部屋を指定されてく
ださい。(海に面していない部屋もあります)
執筆 実森良二
写真 寺本幸秧
当ホームページには関連した以下のページがありますので、是非ご覧下さい。
- 実森良二「南イタリア最新スポット」 “トロペア”
- 片野道郎“Cattivi pensieli” 「ヴァカンスの事実」
- 寺本幸秧「イタリア現地レストラン紹介」 “Filippino”
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