“幻のチーズ”“チーズの王様” このチーズに捧げられたこれら数々の賛辞は決して大袈裟ではない。 世界中の美食家達から垂涎の的でありながら、ピエモンテ以外では恐らく 口にすることは至難の業であろう。 CASTELMAGNO/カステルマーニョ
ピエモンテのリストランテでは、このチーズを常時店に置いておく事が いわばその店のステイタスとなっているとも聞く。かつて私がトリノで生活をしていたおり、よく買い求めるチーズ屋で 年配の女店員に「カステルマーニョはないの?」と訪ねると、 決まって「今日はないね、来週は入るかもしれないけどね。」と言う返事が返って来る。 それでも幸運にも何度か口にする事が出来た。
夜、自分の部屋でネッビオーロのワインとこのカステルマーニョがあれば至福の時を 過ごすことが出来た。このチーズは主に夏場にかけてごく限られた地域でごく少量しか生産されない。 作られた時には大半が予約済みとなる。 その生産地はCastelmagno,Pradleves,Monterosso,Grana 周辺で、年間生産量はわずか2トンにも 満たない。
原料は牛乳であるが、羊やヤギの乳も混入される。 製造過程で一時作られたカードを専用の壷に2日間ほど入れて熟成させる。 その後成型されて2〜5ヶ月の熟成を終え出荷される。若いうちはクリーミーで今一つと言った感じだが、その後しっかりと熟成が進むと 中に青かびが発生して舌に独特の酸味と塩味を感じるようになる。 この時こそカステルマーニョがその真価を余す所無く我々に見せ、一口味わったが最後 この魔力に取り付かれてしまうことだろう。
もし、あなたがピエモンテを訪れる機会があったなら、 是非とも捜して味わってもらいたい。
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